liposuction

脂肪吸引とは、メスで体に小さな穴を開け、そこから吸引の棒を入れて部分的に脂肪を取る施術方法です。 年齢を重ねるとダイエットをしても脂肪が落ちにくくなりますが、脂肪吸引をすれば効率的に脂肪を減らすことができます。

人気の部位は腰やお腹周りで、女性の場合は太ももの外側もよく相談が寄せられます。
また夏に向けて人気なのは二の腕で、春に施術を受ければ夏までにダウンタイムを終えることができますよ。

施術前から施術が終わるまでの流れについて説明します。

一人ひとり皮膚の状態、脂肪・筋肉のつき方、骨の太さが異なるため、まずはカウンセリングを行います。ピンチングといって、皮膚の厚さ・脂肪の厚さなどを触って確認し、どの脂肪を取ったらきれいになるかを提案します。
また患者様の希望の部位もあわせてお聞きしながら、その兼ね合いで脂肪吸引する部位を決めます。
1回の施術で取れる脂肪には限度があり、およそ4000ccが目安となります。
それを超えると体に負担が大きくダウンタイムが辛くなるため、上限を超える場合は何回かに分けて施術を行う場合もあります。

施術前にもう一つ大切なことは、立ち上がった状態でのデザインです。
手術台に横になると重力で脂肪の位置が移動し、体の下側にある脂肪が横に押し出されますね。
横になった状態でデザインしても、立ち上がったときにイメージと違うものになってしまいますから、まっすぐ立った状態でのデザインはしっかり時間をかけて行います。

部位が決まったら、施術のおよそ半日前から絶食していただきます。
施術は静脈麻酔もしくは全身麻酔をしたうえで行い、まずはメスで体に穴を開けます。
脂肪吸引で体に穴をたくさん開ければ、誰でもきれいに脂肪を取ることができますが、それでは目立つところにも穴を作ってしまうことになります。
穴がいかに少なく、目立たないところの傷だけで取るかは医師のテクニックにかかっていますので、上手な先生ほど穴が少なく傷跡が目立ちにくいことを知っておくと良いですね。
ベイザーという機械を使って、まずは脂肪を柔らかくしたあと、脂肪吸引機で吸い出す手順に入ります。

施術後はむくみを防ぐため、麻酔液などを体から押し出してから縫合します。
または腹部の皮膚の下にドレーンというプラスチックの管を通し、残った麻酔液やむくみのもととなる水分を排液バッグに出す処置を行う場合もあります。
ドレーンを通す場合は翌日に局所麻酔したうえで縫合します。

シリンジ法とは、大きな注射器の先に長くて細い針がついており、それを体内に入れて脂肪吸引する方法です。
シリンジ法のメリットは、他の方法に比べて安価でできることです。
デメリットとしては、真空になった注射器の圧力は非常に大きいので、周りの血管・神経・繊維組織を巻き込むダメージも大きいことが挙げられます。
経験豊富な医師であればシリンジ法でも十分に脂肪吸引が可能ですが、施術実績があるクリニックを選ばないと思ったような結果が得られない可能性もあります。

ベイザーは、脂肪吸引をする前に皮膚を5mmほど切開し、細い棒を体の中に入れて「ベイザー波」という超音波で脂肪を分離します。
そうすると、ぶどうの房からぶどうの粒を落とすようなイメージで、血管・神経などの周辺組織と脂肪とが分離した状態になります。
これにより、周りの組織のダメージが少ない低圧での脂肪吸引が叶うんですね。
低圧だとダウンタイムも少なく済みますし、皮膚の浅いところまでしっかりと脂肪吸引できるメリットがあります。

パワーアシストリポサクションとは、脂肪を吸引するカニューレに振動装置が付いたもので、振動によって脂肪細胞をゆるませながら効率よく吸引できる機械です。
施術時間が短く、術後の痛みや腫れも従来より軽減できるようになったものです。
振動によって脂肪細胞を柔らかくして吸う特徴があるので、過去に脂肪吸引をして脂肪が硬くなっている方にもおすすめですよ。

お腹の脂肪吸引では、上腹部が特にたるみやすいのですが、姿勢を良くすることである程度は予防できます。 それでも皮膚のたるみが改善しない場合は、後日皮膚を切除する場合もあります。 また顎下では、40～50代の方が脂肪吸引しても皮膚がたるんでいるので脂肪を取った効果が感じられないケースがあります。 それは皮膚の引き締まる力が弱っているためなので、糸リフトなどを組み合わせて引き上げると効果を感じられると思います。 糸リフトをしてもダウンタイムはさほど変わらないため、一つの選択肢として提案することがあります。

お腹以外の脂肪吸引では、施術翌日からシャワーが可能です。
お腹にドレーンの管が入っている場合は、それが取れるまでシャワーができません。術後1週間が経ち、抜糸が終われば湯船での入浴も大丈夫です。
ただし、むくみが強い時にあまり体を温めると逆効果です。特に激しい運動は体調が悪化することもあります。反対に、術後が辛いからといってずっと寝ていてもむくみは収まりません。ある程度は動きながら普段通りに生活してください。
お腹の脂肪吸引をした場合は、術後の姿勢が重要です。お腹が痛いことを理由に屈んだ姿勢が続くと、皮膚と体内の細胞が癒着してしまい、段になってへこんだ跡がつく可能性があります。下着のゴムをゆるくしたり、シームレスのものを着用すること、またズボンのベルトをきつく締めすぎないことも重要です。

脂肪吸引は、ダイエットでは落としにくい部分的な脂肪を効率よく取り除ける方法です。効果を最大限に引き出すためには、確かな技術のある医師を選ぶことと、術後のケアがとても大切です。
ご自身の体やライフスタイルに合った施術プランを提案してくれるクリニックに相談し、施術前の不安をできる限りなくしておくと良いでしょう。